「何…してるの?」
「志井に電話するんだよ!」
怒ったように言われて、私は少しひるんでしまった。
「な…何で?」
「ここで大江グループの財力を使わない手はねーだろ。」
「え…?」
「アイツの指示に従うのは結構な屈辱だけど、今はそれしか方法が思い浮かばねーんだよ。」
「アイツ…?」
「分かんねーのか?愛だよ。」
そう。慧さんは、愛さんに言われたように、財力を使ってまで、勝とうとしていたのだ。