ヤンキーなんて好きじゃないから!

「盛田!!」


小林………か?



ふりかえるとそこには香山がいた。


俺、こいつマジで苦手なんだよ。


性格悪いし俺にまとわりついてくるし、顔は可愛いって言われてるけど、俺は小林の方が可愛いと思う。

「お前かよ」


「私じゃなくて小林さんがよかった?」

よくわかってんじゃねーかよ。

「小林さん、盛田のこと嫌いって言ってたよ?あんなやつ、関わりたくもないって」

あ?小林がか?

「だから?」


「え?」

俺の返事に驚いた顔をする香山。


「いや、そんな性格悪い女にいつまで関わってんの?」

お前の方がよっぽど性格悪いだろ。

「別にいいよ。俺、小林のこと信じてるから」

「………でよ。なんでよ!」

急に大声を出す香山。


「私の方が可愛いし、モテるし、小林さんなんかよりよっぽど盛田と釣り合うのに!なんで小林なの!?」


自意識過剰すぎだろ…


「なんで私じゃダメなの?」

しまいには泣き出す香山。

「小林は特別だから…」


「え……?」

「あいつじゃなきゃだめなんだよ」

「………なんで」

「なんでだろーな。俺もわかんねぇ。でも、好きになっちまんたんだもん。仕方ねーじゃん?」