深愛なるキミ

お姉ちゃんから聞いたヒロムくんの話。


どうやらヒロムくんは好きだった女の子に振られてしまってから声が出せない失声症になってしまったらしい。



だから彼からの言葉は筆談。


席に着くと彼はカバンからノートとシャーペンを取り出し、左手にシャーペンを握った。



〔はじめまして、遠藤ヒロムです。お姉さんからお話は伺ってます。今日は僕のために時間を作ってくれてありがとう〕



サラサラと書かれるその文字は決して綺麗とは言えないけれど彼の気持ちが篭っているみたいだった。