妄想世界


「刹那さんも一緒に戻ろう?」

そう手を差しのべて笑いかけた時
刹那さんは何かを思い出したような

目を見開いて私を見ていた

「葉羽ちゃん……
僕がお前にひかれる理由がわかったよ」

「え?」

「俺にも、いたんだ。
助けてくれる奴が」

そう言うと刹那さんは
私を抱き締め


こう言った