夢のバージンロード!

そんな由井は、さっきから、新しい担任のことばかり気にかけている。

「琴実~、担任の先生、どんな人かな?」

由井が不安げな表情でそういった。

「こわ~い人だったりして?」

ちょっと怖がらせようとそういうと、

「いや~、やめてよそんなの。緊張してきたじゃん!!」

ほっぺたをふくらます由井を見て、笑っていた。

すると、彼は入ってきた。

ガラッと開いたドアにクラスメイト全員が釘付けになった。

もちろん私も…。

心臓の音が、クラス中に聞こえてしまう。そう思うくらい私の胸はドキドキしていた。

少し身長が高めで、髪は天然パーマで、彫刻みたいな顔には、私が大好きな黒縁メガネ。

落ち着いた感じたけど、地味ではない服。

そして何より、太陽のような眩しい笑顔。

私の心は、まだ名前も知らない人にすでに惹かれ、恋に落ちていた。

この人だ。

見た瞬間、運命の相手だと確信した。