「好きです。ずっと前から好きでした。付き合って下さい‼︎」
顔が真っ赤になって、まるで溶けてしまいそうだった
「……」
沈黙が続いた。
「やっ…やっぱり……ダメ…です…よ…ね…」
顔を見てみると…
耳まで真っ赤に染まっていた。
「え……」
「ビックリ…した。お…俺も……す…好きだった…から」
その時、彼は一段と顔を赤くした。
「あの…じ…じゃあ………」
「是非…お…願いしま…す」
その言葉を聞いた私は…呟いてしまった。
「嘘…なんで…また⁉︎⁉︎⁉︎」
それも、校舎の裏で。
私は、たまたま(好きな人を追跡してたら)告白していた。
それも、私ではなく同じクラスの美少女が。
それを私は目撃(つまり盗み聞き)してしまったのです!
ズバリ言うと…ショック……です。泣
「う〜、まだ頭の中であの言葉がぁぁぁぁぁ」
そんな独り言を言いながら教室に入ると
「おーい、失恋ちゃーん、また失恋かい?」
「うっ…」
仲の良い 長良 美梨果<ナカラ ミリカ>が私に話かけてきた。
「わ…私には、ちゃんとした名前があるでしょ⁉︎」
あ、自己紹介が遅れました。
私は、加出井 利紅<カイデイ ミア>と言います。そんな私のあだ名は…
“失恋ちゃん”です。
この名は、私が失恋記録10回を達成した時のあだ名です。
そんな風にクラスでからかわれる私。
「はぁ…」
ー私に白馬の王子様は…やって来ないのですね…