さっきまでのテンションから落ち着きを取り戻したらしい芽美の、まっすぐな澄んだ瞳は、まるで心の中まで見透かせるんじゃないかって思うほどの強い視線を向けてくる。


「……この前、中間テストだったでしょ?」

「うん」


恥ずかしくてさすがに芽美の目を見つめ返すことはできなかったから、目線はふらふらさまよってしまうけど、なんとか言葉を押し出すと、芽美はコクリと頷いてくれる。


「……一緒に勉強したときに、……キュンとさせられちゃいまして」

「何にキュンしたのかがすごく気になるけど……、うん」

「それ以来、その人を見るとなんか心臓が異常な動きをね、するんですよ」


今までは何とも思ってなかったのに。

一緒に勉強したのだって、本当に、偶然で。

テスト期間中の図書室に行ったらすごく混んでいて、たまたまその人と相席することになった、っていう、約束も何もない、本当にただの偶然。

まさかそれが人生初の恋へとつながっているなんて、その時は想像もしていなかった。


「これは多分恋、だよね……?」

恐る恐る、彷徨わせていた視線を芽美の方に向けた。

すると、芽美はなんとも複雑な顔をして私を見つめ返してくる。

え、何?