恋の糸がほどける前に


きっと雫先輩と出かけるんだろうと思ってそう声をかけ、私はするりと水原の横を通り過ぎた。


……うん。

やっぱり、水原に告白、しよう。


課外も今日で終わっちゃったし、明日から本格的な冬休みだから、次水原に会えるのは年が明けてからになっちゃうけど……。

でも、きっと言える。

水原と会話して、なんだか不思議と、想いを告げる自信が出てきた。


あんなふうに話したのはすごく久しぶりだったけど、たぶん、大丈夫だったよね。

挙動不審とかになってなかったよね。

視線を変に逸らしたりもしてないはず。

声だって震えてなかったし、どもったりもしてなかった。


……うん。


私、案外大丈夫かもしれない。

貴弘との絆を信じられたように、水原のことも信じられているのかも。

自分の気持ちの強さを、信じられているのかもしれない。


フラても、水原が大事な人なのは変わらないから。