恋の糸がほどける前に


私はいきなり会ったことに驚きすぎて言葉が出なかったし、水原は水原で条件反射で話しかけてしまったみたいで、声をかけてすぐに少し居づらそうな表情になった。


そりゃ、そうだよね。

お祭り以来、ほとんど喋ってないもん。

私が水原のことを避けているせいで……。


それでも、話しかけてくれたんだから答えなきゃ。

そう思って、思い切って口を開いた。


「えと、うん。芽美とクリスマスパーティー、するんだ」

「え?」


精一杯の笑顔で言ったのに、水原は驚いたような顔をした。


え、なんで……?


「……昨日のイブ……、はクラスのクリパに来てたよな」

「え?う、うん」


なんでそんなことを訊くんだろう。

そう思いながらも、頷く。


「水原、どうしたの?」

「いや、うん。なんでもない。楽しんでこいよ」

「ありがとう。……水原も、楽しんできて。じゃあ」