恋の糸がほどける前に



────そして、クリスマス当日。


「じゃあ、着替えたら芽美の家に行くね」

「うん、わかったー!」


学校の冬期課外が終わったのが午後3時ごろだった。

芽美と一緒に学校を出た私は分かれ道でそう声をかけて、いったんそれぞれの家に帰る。

そのあと芽美の家で待ち合わせて、ケーキを受け取りに出かけて、そのままご飯の材料を買って芽美の家に戻る、という計画だ。

ちなみに、そのまま芽美の家に一泊させてもらうことになってる。

芽美の家に泊まるの、中学生のとき以来だからすごく楽しみ。




小学校から芽美とは一緒だけど、同じ学区の中では芽美と私の家は離れているほう。

急がないと、芽美のことを待たせてしまう。

家に着いて、超特急で準備を済ませた。


「いってきまーす!」


ガチャ、とドアを開けて、芽美の家に向かって歩き出した私だったけど。


「……あ」

「あれ、三浦。出かけんの?……って、そっか、クリスマスだもんな」


家を出てすぐに出くわしてしまったのは、水原。

芽美の家より水原の家のほうがずっと近いから、出くわす確率はかなり高いんだけど、今までこんなふうにバッタリ会ったことなんてなかったから、油断していた。

ここ、水原が通学に使ってる道だったんだ……。