恋の糸がほどける前に


いきなりテンション上げた私に、芽美は一瞬びっくりしたようだったけど、すぐに「えっとね」とスマホの画面を見せてくれた。

画面に映っていたのは、美味しそうなフルーツケーキ。


「すごい美味しそう~!!」

「でしょ!?ここに決めちゃっていいかな?もうあんまり時間ないし」


そう言って、芽美はスマホの画面を撫で、予約ページに進んでいく。


「ケーキ取ってきてー、食べるのは私の家でいいかな?あと、ご飯は一緒に作ろうっ!ふたりきりだけど、クリスマスパーティー!」

「すっごい楽しそう!……あ、でも、芽美の家族の邪魔にならない?大丈夫?」

「大丈夫大丈夫!その日は家に誰もいないから。クリスマスは毎年、両親ふたりで旅行なの」


私の心配にも、芽美はそう言って笑った。


「なにそれ、ラブラブ!!」

「ほんと、呆れるくらいだよ」


ふふっと笑って、芽美は「予約できたよ!」とにっこり笑顔を浮かべた。


「ありがとう!」

「ううん!当日、楽しみだね」



芽美が傍にいてくれて、本当によかった。

そう思いながら、私は「そうだね」と笑い返した。