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「……」
シャッ、シャッ、と軽やかな音を立てながら、目の前で答案に赤く丸がついていく。
なんていうか、自分の答案の採点を見てなくちゃいけないなんて、すごく緊張する。
調子よく丸がついていたのに、途中でピッと無機質な線が付き、あああ、と心の中での悲鳴と共に不安が募った。
今の、減点何回目?
まだセーフ?
それとも……。
「ん」
全ての問題を見終わって、間違えた数を数えていくよっしー。
とん、とん、と赤ペンの頭で机を打つ音が、やけに大きく聞こえた。
計算を終えたよっしーが、解答用紙に『75』と書いて。
「うん、合格」
にっこり笑顔と共に解答用紙を手渡されて、私は心の中で大きくガッツポーズをしたのだった。
────只今、数学の補習真っ最中。
確認テストは、問題を解き終わった人から教卓にいるよっしーのところに解答用紙を持っていき、採点してもらって70点を超えていたら合格。
超えていなかったら、延々再テストが続いていくんだ。


