恋の糸がほどける前に


やっぱり、無理しすぎた!?

クラスメイトとのお祭りに浴衣なんて、はりきりすぎたのかな……。


この浴衣だって、昔近所に住んでいたお姉ちゃんにもらったもの。

お姉ちゃんにはすごくよく似合っていたけれど。

そういえばお姉ちゃんは、私が悔しがるのも恐れ多いくらいの美少女だった。


幼いながらに憧れた綺麗な浴衣姿に少しでも近づけたら、って思ったけど、やっぱり私じゃ無理だよね……!


しょぼん、と沈みかけた私。

だけど。


「……いや、似合」

「まぁ、いいや!!変でも着て来ちゃったものは仕方ない!……って水原、なんか言った?」


落ち込んでも仕方ないし!

と顔を上げて叫ぶと同時に、なんだか水原の言葉を遮ってしまったような気がする。



「なにか言いかけたよね?」


首をかしげてきくけど、水原は勢いよく顔を背けてしまった。