「……なにそれ?」
怖さも忘れて思わず聞くと、水原は「さぁ?」と苦笑した。
「これ着けて帰るの?」
「知らないけど、使い方それしか知らないし」
机の上に乗っていたのは、ふたつのサングラスだった。
……意味が分からない。
ふたつしかないってことはおそらく、ペアがこれを持って行くごとに補充するような役割の人がいるんだろうなぁ、なんてどうでもいいようなことを考えてしまう。
いや、だって。
そんな方向に思考がいきたくもなるよ。
……なんでサングラス?
ただでさえ暗くてよく見えないというのに、これ以上視界を悪くするなんて。
「別に着けろとは書いてないし、そのまま持って帰ればいいんじゃないの……、ってもう着けてるし」


