放課後、教室に、二人っきり。

私、男子と二人っきりなの初めてでドキドキするんだけど。

「………で、聞いてる?」

「ごめんなさい。」

はあ。とため息をつかれる。

「だから、ここを、こうして、」

「あっ、こうか!」

わかりやすい説明に問題が解けた。

「そう。」

また、笑った。

なんか、山田くんの笑顔って落ち着くな。

「また、聞いてないでしょ?」

怒ってしまった。

「ごっ、ごめんね。」

「何考えてんのか、知らないけど、
集中して。こっちに。」

「はい。」

怒らせないように集中した。


「出来た!
ありがとう!山田くん。」

「別に、」

照れてんのかな?

だったら可愛いな。

「遅いから送ってく」

山田くんから思いもよらない言葉が

「えっ?」

「嫌ならいいけど。」

「送って下さい。」

山田くんて、素っ気なかったり優しかったり

何だろう?

「こっち?」

「うん。」

緊張して、隣を歩けなかった私は後ろから離れて歩いている。

「ありがとう。山田くん。気をつけてね。」

「あぁ。」

素っ気なく返事して、帰って行った。