オオカミ君は私の彼氏


私と彩華はいつも中庭の、人があまり通らない場所でお昼ご飯を食べている。

風が気持ちいいなぁ。

彩華とご飯を食べながら話をしていると、なぜか話題は悠斗くんになっていて、

「でも、やっぱり悠斗くんって人さ、えみりのこと好きだったよねー」

「ぶっ!!」

い、いきなりなにを...!

「なんでそうなるの!」

「えー?だって、いつもえみりから聞く悠斗君の話って好きな子にやる行動じゃない?」

「それは、たまたま一緒にいる時が多かったからだよ!優しいから親切心で助けてくれてたんだよ!」

「うーん。絶対違うと思うんだけどなー」

納得いかない様子の彩華。

もう。

毎回彩華はこの話をしてくる。

悠斗くんが私のことを好きとか、絶対ありえない話なのに...。

はぁ。

「...今、どこにいるんだろ...」

彩華に聞こえないぐらいの声の大きさで言ったから、彩華は気づかずにずっと悠斗くんは私のことを好きだと言っていた。

ふわっ...

ん?

なんだろう、この匂い。

香水かな?