「写真撮影?なかったはずだよー。男子はぜーんぜん見た目気にしてないじゃん、ほら」

いつも、イベント毎とかで髪をバッチバチに決めてる男子達ですらノーセット。

「あ、本当だ。なんで女子だけこんなに気合い入ってるんだろう...」

「さぁ?まあ、写真撮影とかだったらその前に急いでトイレ行って準備しよ!」

「そうだね!」

盛り上がる女子たちとは逆に、大好きなアイドルトークで盛り上がっていたら先生が入ってきた。

「はーい、おっはよーう。って、なんか今日顔面偏差値少しだけ上がってない?」

「少しって何よー」

あははは、と笑い出す女子たち。

「これが卒業まで続くかなー」

ケラケラと笑いながら茶化している男性教師は担任の小林尚弥-なおや-。

20代前半で歳も近いのも、ノリが近いのもあって人気の先生。

「どこかで情報漏れてたのかなー…」

うーん、と少し考えるそぶりをとったがすぐいつものおちゃらけな先生に戻った。

「まっ、いっかー。そう!みんなの想像通り転入生が来ます!」

「「「きゃーっ!!!」」

待ってました!!と言わんばかりの女子達の黄色い声。

…転入生?

ああ、だからみんないつもと違かったんだ。