顔をあげると、いつものへらへらとした圭介ではなく、真剣な圭介の顔があった。





「なんで…?」






「俺らは、お互い甘えすぎだったんだよ。


いつも一緒にいられるのに慣れすぎてて、離れる悲しみを知らなかったんだ。



だから…………」






「別れたくないよ…」






圭介の服を、強く握りしめる。





「別れる何て言ってない。ただ、お父さんの仕事が安定してきたら、約束を果たそうってことだよ。」






約束…





「じゃあ、約束して?









あたしが日本に戻ってきたら、結婚するって」








これが、あたしの今の気持ち。





高校生のときとは違う。





一生がかかった約束。