オーディションまで、あと1週間…


♪♪♪♪♪♪♪♪♪

哲「どうだ?」

「哲…だいぶ良くなってきてる!音程も今のままキープして、ハモってね。」

哲「そうか?褒められたら嬉しいな!」

「あと、一週間だね!」

ひろ「なぁー。沙織ー」

「なに?」

ひろ「ここ、教えてくれー。」

「ここはー。」




ひろ「こうか?」

「うん!そうそう!!」

哲「てかさー。賢介、全く出てこないよねー。部屋から。」

ひろ「あいつは真面目とか1番似合わない男だからな!」

哲「そうそう。適当という言葉は賢介の為にあるみたいなもんだ。」

「でも、歌は作って来てくれるよ。絶対!だから、私達は残り1週間頑張ろ!」








深夜…



ガチャ…


「やっぱり。寝てる…」

私は今、賢介の部屋に来ていた。
賢介は紙がいっぱいある勉強机にうつ伏せになり寝ている。

「もーう…」

私は寝てる賢介に毛布をかけ、作ったおにぎりにラップをして、近くに置いた。

「歌かけたかな?」



真っ白…





「…見なかったことにしよ!…おやすみ、賢介…」



私は自分の部屋に行き、小百合さんがまだ帰って来ていないのに気付き、
おにぎりを作って置いておいた。




私はそのあと、自分の部屋で、好きな音楽を聴きながら、ルーズリーフと睨めっこしていた。






気がついたら朝だった。

しかも私は自分のベッドに寝ている…


小百合さん「沙織ちゃん。おはよー。」

「小百合さん、あのー。小百合が運んでくれたんですか?」

小百合さん「そうよ。だって沙織ちゃん机で寝てたんだもーん」

「すいません…ありがとうございます。」

小百合さん「てか、沙織ちゃん軽すぎー!ちゃんとご飯食べてる?」

「食べてますよ!自慢じゃないですけど、私そこらの男子より食べてますよ!」

小百合さん「そうだったね。じゃ、これいる?」

「…おにぎり?」

小百合さん「家に帰ったら、おにぎり作ってあったの、沙織ちゃんでしょ?
美味しかったー。
だから、朝また食べたくなったから作ってみたんだけど、上手く出来なくて…」

「いっしょに作りません?」

小百合さん「え?!うん!作りたい!」

「はい!じゃ下おりますね、」

小百合さん「うん。待ってるねー。」


私はベッドから降りて、直ぐに机の上にあるルーズリーフをとって、ポケットに入れた。

それから、服に着替えてピアスをし、下に降りた。


それから、小百合さんと一緒に朝ご飯とおにぎりを作った。


おにぎりを作り終えたぐらいに、


ひろ「ふわぁぁぁー。おはよ〜」

「おはよ。眠そうだね。」

ひろ「あいつらよりは、起きてるぞ。」

「ん?あ!ちょと起きてよ!!」


賢介と哲は死んだように床に伏せていた

哲「腹減ったーー」

「ご飯あるから、って、賢介!」

ひろ「そーいや、賢介。歌で来たのか?」

賢介「…」

賢介は無言で私たちに、ピラッ…っとルーズリーフを見せてきた。

哲「真っ白!」

ひろ「えっ?どういうことだ?賢介」

賢介「いや〜。書こうと思ったんだけどね〜。歌作るのは難しね〜」

哲「だよな。賢介だもん。」

小百合さん「賢介あんた一様リーダーだよ!」

賢介「いやいや、歌作るのは難しすぎる!」

小百合さん「これなら、沙織ちゃんの方がいいよ」

ピラッ


小百合さんは昨日私が書いていたルーズリーフと出来上がった歌を書いてあるノートを持ってきた。


「えっ?!ちょと何で持ってるんですか?!」

小百合さん「だって沙織ちゃん、この上で寝てたからみえたの!」

「まだ、それは…」

ひろ「すげーな。」

哲「あぁ。歌詞がいい。」

賢介「歌は?」

「あ、ギター持ってる?」

賢介「あぁ。はい。」



ジャラーン!





♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



「ってかんじ…」

哲「サイコー!!」

ひろ「やっぱ、歌うめー。」

賢介「それ、オーディションでやろ!」

「じゃ、あと、一週間!しごくわよ!」