ってことはーーーーーーーーーー。


「凛じゃない?」


ポニーテールの女子が凛に問う。

だが、凛は顔を強張らせたまま立ち尽くしている。

微かに体が震えているように見える。



男子恐怖症って、やっぱり本当だったのか・・・・・・。

でも、凛と接する事が出来る。

これはチャンスだ。


俺は薄笑いを浮かべながら、凛にハンカチを差し出す。


「はい」


・・・・・・・・・・・・。


なかなか、凛は受け取ってくれなかった。


早く行かなきゃ授業に遅れる、とポニーテールの女子が呟き、「凛?大丈夫?」と心配そうに凛の顔を伺っていた。


凛はその声にハッとして、俺の顔を一瞬見てすぐに逸らす。