この場に出てくるはずの無い女子の声に、俺は反射的に声のする方を見る。

声のした斜め後ろには、最近仲良くなったクラスメイトの女子がにやにや笑いながら俺を見つめていた。


“ミナ”と俺は呼んでいて、長い前髪を上に結び流している、長い髪型が特徴的。

「ミナ・・・・・!話聞いてたのか?!」


つい最近仲良くなったばかりだから、恋バナをする気にはどうもならない。


でも、聞かれてしまったのなら仕方ないか。
『凛ちゃん』と呼んでいるし、凛の事を知っているのだろう。

この際、協力してもらおうか!


事を良い方に考え、思考から現実へと戻る。


ミナは「へへっ」と笑い、手をひらひらと降った。

「聞こえちゃったんだよね~。ごめんね?」


謝るミナに俺は手を合わせ、両目をぎゅっとつぶる。



「凛のことを教えてくれ!!」