久「おのれ...遊女の分際で我らを愚弄する気か‼︎」



すると花君は表情を変えず



ゆっくりと久坂の前に立った。



花「うちを遊女と思われたらたまりませんわ。帝にも謁見を許されとります太夫....わからしまへんやろ?こったい...太夫と書いてこったいと読まします。」



するりと扇を抜き去ると口元を隠し



花君は久坂に微笑む。



花「それをそんじゃそこらの遊女と見るとは....世間知らずもええところ。頭冷やしてき‼︎」




パシッ




花君は扇で久坂の首筋を叩くと



禿を引き連れ襖を開けた。



桂「花君太夫‼︎すまない。うちの久坂が御無礼仕った。」



高「こいつは怖いもの知らずなんだ。許してやってはくれないか?」



背を向ける花君に対して



必死に頭を下げる高杉と桂を見て



久坂は呆気に取られていた。



花「桂さん...下のもんにも教育はしっかりしといた方がよろしおますえ?」



振り返ると久坂を一瞥し去って行った。