久「おい。」



花「へぇ。なんどすか?久坂さん。」



突然呼ばれて振り返ると



眉間にシワを寄せた久坂が



こちらを睨んでいた。



久「さっき壬生と言ったな。そいつは壬生浪士組のことか?」




花「いかにも。ご存知どしたか。」



久「ご存知もなにも...」



悔しそうに顔を歪める久坂を見て



高杉が大笑いした。



高「つい先日なぁ、将軍殿が上洛しただろ?そん時俺は言ってやったんだ。よっ‼︎征夷大将軍‼︎ってな。そしたらそいつらが躍起になって追いかけて来やがったからさらーっと逃げたんだよ。」



久「他人事と思って....」



桂「まぁまぁ。それで、逃げてしまった晋作の代わりに久坂が盾になって壬生狼とやらと対峙したというわけだよ。」



高杉に代わり説明した桂を見て



花君は唖然とした後



急に笑い始める。



花「ふふふ。それもこれもみーんな、長州のお方のお膳立てと聞いとりますよ?なんでも将軍様の権威を失墜させるために帝のお供をさせたとか。」



久「その通り‼︎帝をお救いするのだ‼︎」



高「結局、桂が来て壬生浪士組とは何事もなく収まったってわけだ。」



久「あんな田舎侍...桂さんのお力がなくとも私が切り伏せましたのに...」



花「まぁ。長州は田舎やないんどすか?」



馬鹿にしたように笑った花君に



久坂は剣を抜いた。