傾城は時の氏神

聞きなれない声に振り向くと




高価な着物に身を包んだ




端正な顔立ちの若い男が立っていた。




?「来ないな時間に女子が一人で花街におるんはよくないでっせ。迷ってはりますか?」




雅「え....あぁ.....」




ここは男に乗った方が得策と思い




話を合わせ始める。




雅「実は四条まで行きたくて。」




?「あぁ!せやからこんなとこに!」




雅「えぇ....」




話を聞き納得したように男は頷くと




話を続けた。




?「四条やったらうちの店もあるんですわ。良かったら案内しますえ!」




雅「では.....」




雅はとっさに地図で見た店名を口にした。




雅「木屋町の桝屋さんに行きたくて....」




?「なんと!」




驚いたように目を見開くと




男は笑顔になった。




桝「お客様はんどしたか!うちの店や!おいでやす!」




雅「どうも....」




苦笑いを浮かべながら静かに




男の後を追った。