傾城は時の氏神

雅は支度を終えると屯所を出た。




雅「しっかし壬生って....本当ど田舎だな。田んぼと畑ばっかりじゃん。」




足につく泥を気にしながら先を急ぐ。




雅「四条ってことは...先斗町を抜けたあたりか....」




地図を眺めながら歩いていると




前から見知った顔が現れた。




坂「これ以蔵‼︎なーにをそんなに殺気だっちょる。ここらは大丈夫じゃき。気にすなや‼︎」




岡「龍馬....だが新選組の屯所も近い....警戒して損はないだろーが。」




坂「心配しすぎじゃて‼︎」





雅は顔を伏せながら足早に横を過ぎ去る。




坂「ちょいとそこの娘さん‼︎聞きたいことがあるきに、ええろうか?」




雅は一瞬迷うもすぐに笑顔を作る。




雅「はい?なんでしょ?」




坂「ちくと道を聞きたいがじゃ‼︎島原へはどっちの道がええろうか?」




雅「あぁ...そこを左に行ってまっすぐですよ‼︎すぐに着きます。」






坂「ほぉかい。ありがとう‼︎」



雅「では急ぎますので....」



雅は慌ててその場を去った。



坂「うむ....」




岡「どうした?」




坂「いまの女子...どこかでおうたような気ぃがするんじゃけんど....」




岡「気のせいだろう。こんだけ京都を歩いてればすれ違ったりするはずだ。」




坂「ほぅかのぉ....」




未だに雅の去った道を眺めながら



思案している坂本を引っ張ると




岡田は先を急いだ。