桂「ところで...」



急に声色を落とし



手招きした桂に身を寄せる花君。



桂「例の件だけどね...その後は....どうだい?」



花君はゆっくりと身を引くと



先程から一人、宴席には交じらず



酒を煽る男を見た。



桂「あぁ。紹介がまだだったね。彼は我々と同じ長州の者だよ。久坂...花君太夫だ。ご挨拶するように。」



桂に言われると久坂は花君へと



向き直り頭を下げた。



久「久坂玄瑞。以後お見知り置きを。」



花「花君どす。宜しゅう。」



久坂は花君を一瞥すると



再び盃を手に取った。



桂「すまないね。悪い奴ではないんだが....なにぶん愛想が悪い。」



苦笑しながら盃を手に取る桂に



花君は徳利を傾けた。