傾城は時の氏神

桂「それはこちらのセリフだ。人の物を奪って置いて...タダで渡すと思うかい?」




土方は雅の前に立つと刀を抜き去る。




土「逃げの小五郎がでけぇ口叩いてんじゃねぇよ。」




桂「......」




土方の殺気に桂は刀をしまった。




桂「今はこちらの分が悪いみたいだね。精々彼女に逃げられないようにすることだよ。すぐに私の所に来たくなるはずだ。」




またね....




雅に微笑むと桂は去って行った。




土「薄気味悪ぃ野郎だな。」




雅「っ....」




土「おい、大丈夫か?しっかりしろ。」




雅を立たせると頭に手拭いを掛ける。




雅「すまない.....」




土「勘違いすんな。みっともねぇ頭の女なんか連れて歩けるか。屯所帰ったら源さんにでもやってもらえ。」




雅「分かった....忍びのくせに情けないな私は...」




涙を浮かべた雅を横目で見ると




土方はため息をついた。




土「あー....まぁなんだ。忍びだろーが侍だろーが泣くときくらいあんだろ。いんじゃねぇか?人間らしくて。俺はその....嫌いじゃねぇ...」




雅「え?」




土「っ‼︎なんでもねぇよ‼︎おいてくぞ‼︎」




さっさと行ってしまう土方の顔が




薄っすらと赤かったのは




雅だけの秘密となった。