結局その後、




全ての隊士を軽々と否して




雅は息一つ乱さず立っていた。




雅「こんなものか。」




総「さすがですね。でもまさか太夫が忍びだったとは...」




訝しげに見る総司にため息をつく。




雅「主人を鞍替えした私を怪しんでるって顔だな。」




総「そういうわけでは...」




雅「安心しろ。忍びは契約で動く。今は新選組の元で働くと誓った。余程のことが無ければ裏切ったりしない。」




総「でも昨日までは長州についていたんですよね?それも間者として。」




雅「事情が変わった。別にお前達と馴れ合うつもりはないけどしっかり仕事はする。関わることもないからお前は一々口を挟まなくていい。」




総「.....」




雅「それから文句なら土方に言え。引き抜いたのはあの男だ。じゃあ私は帰る。」




竹刀を総司に投げると




倒れている隊士達を尻目に出て行った。




斎「似ている。」




総「誰にですか?」




斎「俺に。」





総「はぁ?」





斎「強いな。あいつ。これから楽しくなりそうだ。」





一人笑みを浮かべながら





去って行く斎藤に総司は





呆気に取られて立ち竦んでいた。