その頃馴染みの桂は花君に会いに



置屋を訪れていた。



桂「こんばんは。女将さん」



女「あらあら桂はんやないですか!!どないしはったんですか?今日はご予約が無かったと...」



桂「あぁ。すまないね。突然来てしまって。少しだけ花君に話があるんだ。会わせてはもらえないだろうか?」



すると女将は困ったような顔をする。



女「すんまへんな~...。できるなら桂はんの願いやし聞きたい所なんどすけど...」



桂「体調でも悪いのかい?」



女「いやそう言うわけではないいんどすけどなぁ~...」



言いずらそうにしている女将に



桂は怪しげに見つめる。



桂「今夜は客でも取っているのかい?」



女「まぁ...そうなんどす。花君にしては珍しいと思ったんやけど...本人がええといったんで先ほど布団準備させてもらったんどす。」



桂「なんだって?」



桂は宴席以外、夜の客は取らないと



有名な花君が客を取ったと聞いて



訝しげに首をひねる。