禿「花君太夫〜‼︎」



寧々の掛け声と共に襖が開く。



左「すげぇっ‼︎」



新「静かにしろ‼︎」



平「初めて花魁見た‼︎」



すると花君は平助を睨んだ。



花「なんやこの座敷は田舎くさいわ....」



皆は一斉に花君を鋭く見返す。



土「今なんつった?」



花「聞こえしまへんか?」



近「トシ.....やめとけ。」



近藤に言われると土方は杯を煽る。



花「そこのお侍さん...」



花君は扇で平助を指した。



平「なんだよ。」



花「太夫を吉原の花魁と一緒にはしないどくれやす。太夫言うんは...芸は売っても身は売らんもんどす。それを知らんと....京では田舎もん言われますえ?」



花君のバカにしたような笑みをみて



平助は思わず目を逸らす。



総「すみません。まだ来たばっかりで何も知らないんですよ。色々教えて下さい‼︎じゃぁ...花君太夫さん‼︎酌を頼めますか?」



花「もちろん。」



花君は平助を一瞥すると



総司の前に座った。



土「ちっ...いけすかねぇ...」



土方は手酌でひたすら酒を煽る。



近「トシ....落ち着けよ。」



土「俺はいつもと変わらねぇよ。」



近「そうか。」



相変わらずの土方に近藤は苦笑した。