カラン....



シャン....



町「来たで‼︎花里屋の花君太夫の道中や‼︎」



町「久々やなぁ‼︎」



町「おー!」



既に待っていた野次馬達の真ん中を



ゆっくりと内八文字を描きながら



若い衆を引き連れ練り歩く。



禿「花里屋〜花君太夫....高麗屋さんまで道中....まかり越しまする〜‼︎」



まだ幼い寧々は背中に「花君太夫」



と、書かれた羽織を背負い



先頭を歩き始めた。



町「あれが花君太夫か‼︎」



町「えらい別嬪やなぁ‼︎」



町「噂以上や‼︎」



町「誰がお呼び立てしたんや?」



町「それが、あの壬生狼っちゅーはなしや‼︎えらいこっちゃ。」



町「なんやて⁉︎」



町「えらい物騒や....」



好き勝手に話す町人達に時々



笑みを送りながら四半刻かけて



ゆっくりと道中を練り歩いた。



そして足を止めると門の前で声を掛ける。




花「高麗屋さんへ...主はいらしてはりますか?」



主「お待ちしておりました太夫‼︎」



花「壬生狼浪士組の皆さんへ....花里屋....花君太夫愛情承りまして....只今まかり越しますえ。」




主「さぁ太夫‼︎こちらに、なります‼︎」



花「へぇ....」



お辞儀をするとお茶屋の中に入った。