笑顔の君に逢えたら



「あー、もう、はずかし!」


そう言って顔を赤らめる香歩。


その姿がかわいくて抱き締めたくなった。


でも香歩とは先輩後輩の関係であって
手を出していい関係ではない。


「そんなに俺とまわりたいの?」


「何回も言わせないでよ」


そう言ってまた顔を背ける。


「んじゃ一緒にまわろっか」


香歩の顔を覗き混みながら言うと
また顔を赤くさせてでも嬉しそうに笑った。


気付かないうちにこの無邪気な笑顔に
惹かれている自分がいた。


いつか香歩の一番になれたら。


そんなことを考えながら空を見上げた。