夏休みも終わるのは早くて学校が始まった。


始業式だけってこともあって
すぐには終わったけど、
それだけのために来たことがばかばかしくなる。


受験生ということもあって
担任の口からはそのことばかりで。


まだ進路を決めていない俺にとっては
気が重くなる話でしかなかった。


寝転がって空を見る。


俺のお気に入りの場所。


学校の屋上に来ることが俺の日課になっていた。


夏の空は澄んでいて気持ちがいい。


ときどき吹く風も心地よかった。



キィー

バタン


いつもは開くはずない扉の音がした。


起き上がって見てみると


「あ」