「ひかり…どこに行ったんだ!?」



信じられなかった。
まさか「汚い」なんて言われるなんて…
ひかりはああいうことが好きじゃなくて…特に、最近はずっと断られてたから俺も手出しはしなかったけど、今日はここあちゃんの声にやられてついおかしな気分になって…
いや、それだけじゃない。
今日のひかりは本当にどきっとする程可愛かったし、つい気分が高揚してしまって…

でも、あの言葉には本当に参った。
ひかりが俺のこと、そんな風に思ってたなんて…
正直、かなり凹んだ。
しばらく起きあがる元気さえなくなってた。



やっぱり、俺が悪かったんだ。
ひかりがいやがってることをしようとしたから…
ようやくそう思い直してひかりの様子を見に行ったら、ひかりは部屋にいなかった。
ひかりがこんな夜中に外に行く事なんて、今まで一度もなかった。
それを飛び出していったってことは、俺が思ってるよりもずっと大きなショックを受けてたんだって気付いた。



慌てた俺は、すぐに賢者の家に向かった。
ひかりが逃げこむとしたら、そこしかない。
だけど、俺の読みは間違っていた。
ひかりは賢者の所には行ってなかった。
だったら、どこに…!?
ひかりが仲良くしてる者なんて他にいないのに…
まさか…良からぬことでも考えて…
俺の胸は不安で破裂しそうだった。
俺は、再びうちに戻り、屋上に走った。
だけど、そこにもひかりの姿はない。
このあたりに高いビルやマンションはうちだけだ…
大きな川や海も高い崖もない。
だとしたら、他の世界に行ったのか!?
そうだとしたら、どうやってひかりを探せば良いんだ?




「ひかりーーーーーっ!」



俺は、泣き出したい気持ちを押さえ、タカ達にも助けを乞うことにしていつものプールバーへ向かった。