「ええっ!またボクに行かせるつもり?」

「あぁ、そうだ。
俺は、テレビには絶対に出ないって言っただろ?
なのに調子の良い返事をしたのは君なんだからな。
今回も君に出てもらう。
君はそういうことに慣れてるからな。」

「カズ…ボクはここんとこずっと徹夜続きなんだよ。」

「大丈夫、大丈夫。
君くらいの若さなら、一週間や十日眠らなかったってなんてことないさ。」

「Oh……」

マイケルは大袈裟な声を上げて、頭を抱える。
俺は、そんなマイケルの背中をぽんと叩いた。、



あれから…美幸とシュウが姿を消してから、いつの間にか五年の月日が流れていた。



(あいつら、どうしてるかなぁ…)



オフィスの四角い窓から、俺はふと空を見上げた。
青く澄みきった空はどこまでも広く……そんな空の向こう側に、俺は、シュウと美幸の笑顔が見えたような気がした。