「こんばんわ。じゃねーか、おはようか?」
時間は、もう少しで朝になるぐらいであった。

「今日は、話があるんだけど…。」
「何?ここじゃ寒いから店入ろうか?」

動き出した俺の手を引っ張った。
「ここでいいよ、すぐに終わるし」

「実は、相談があってー。悩み事多くてさー。」
俺はビックリして、耳を傾けていた。

これって?今言うことか?

「真剣に悩み事があるから、聞いてよーーー。」
その割には、笑顔で声のトーンも高い。

部屋のインテリアがどうだの
犬飼うなら何がいいなど
髪型どうすればいいなど
どんな服装に変えようかなど

俺は眠かったので、今日はもう帰ることにした。

「分かった、この続きは今度じっくり聞くから」
チャリの方に向かって、俺は歩き出した。

カナはというと
「なんだよ!もっと聞いてよ。あたしにとっては大問題なんだからー!!!」


大声で叫んできた。
ズシズシと背中に言葉が刺さってきた!

「じゃあ、今日は遅いから、またねー!風邪ひくなよーー」


「きなのー」
と耳に入ってきた。


カナは走って来た!そして
「付き合えないのは分かってる、だけど気持ちを伝えたくて!カナは唯人の事が大好きです。出来る事なら付き合ってほしい…。」

心臓にポッカリと穴が開いたくらいビックリした。
あれっ?さっきまでの雰囲気と違うカナがそこにいたから。

ふとカナを見ると
カナは空を見ていた。



もう朝方になる時間の空は、とても薄暗いけどそこから少しずつ覗かせる青さが綺麗だった。

「ねえー知ってる?好きな人がどこにいても、寂しいときは空を見ればいいんだって!」