あのカナの胸の内を知らされて、僕は悩んでいた。

どうすれば安心させられるか?

どうすればお互いに成長出来るか?


その答えは当然出る訳もなく。

僕は休みの日池袋に足を運んだ。西口公園で重い腰を下ろしぼんやり鳩に目を向けていた。

とそこに家族連れが目に入った。

よく見れば沢山の荷物を持っていた!買い物帰りらしく、子供は夕飯が楽しみでしょうがない笑みを浮かべていた。

「おーい、荷物気をつけて持ちなさいよ」

(はーい。ちょっと待ってよー)

その時だった。

子供の荷物から林檎が落ちた………。