二人でベンチに座りこんだ。

最近のお互いの趣味や、見た映画の話などをした。
お互い過去の二人の思い出話は出てこない。

やがて彼女はベンチからブランコに乗り始めた。

漕ぎながら向かいあって話しをする!彼女が話題は別に僕に話さなくても構わない話題ばかり!本当に日常の会話……。

奥にある砂場で遊んでいた子供も、気付いたらいなくなり、やがて外灯に明かりが燈り始めた。


「じゃあ暗くなってきたし、そろそろ帰ろうか?」

(んっ?何を言ったか聞こえないよ?)


そりゃブランコ漕いでれば聞きにくいの当たり前だろ?

ドン

パッパッ

手に付いたゴミを払う彼女。

(でっ?何て言ったの?)
「そろそろ帰る?」って!

ピッピッ
ピッピッ

僕の携帯に着信が。
見るとカナと表示されてる。


(TELだよ?出ないの?)

「いやっ、急ぎの用じゃないみたいだから」

それからも携帯の着信音が誰もいない公園に響き渡った!




なんで出なかったんだろう?!



ふと疑問を抱いたが、その後のカナの着信には出なかった。

(TEL何回も鳴ってるよ。出ればいいじゃん?)


僕は携帯の電源を切った…。



僕はこの日は電源を入れなかった………