「し、死ぬかと思った…」 おばけ屋敷の出口。アタシは息を切らして立っていた。 「もう、二度と、おばけ屋敷なんか入らねぇ…」 息が切れ切れの大雅。 「あー、喉乾いた。ジュース買ってこいよチビ」 「ヤダ。てか一緒に行こうよ」 「無理。疲れた」 大雅は子供みたいに座りこむ。 アタシはバッグから水筒を取り出して大雅に渡す。 「この紅茶、美味しいんだよ」 中はもちろん小百合さんがくれた紅茶だ。 「紅茶かよ」 そう言いながら大雅はアタシの水筒の中身を飲む。