「わか…じゃなかった。大雅くん着いたよ」 榛葉さんがそう言うと大雅は車を飛び降りて伸びをする。 アタシは車内でモタモタ。 「若様、おばけ屋敷は構いませんがジェットコースターに無理矢理乗せると嫌われますよ」 と、こそっと榛葉さんが大雅に言ったのはアタシの耳に入らなかった。 「…気をつける」 アタシが車を出ると大雅がアタシの手を引っ張る。 「あ、ありがとうございました」 アタシはペコリと榛葉さんにお辞儀をして大雅の手を握り直す。