アタシはベッドの上で固まっていた。

えー

えー?

今日はデートの日だ。

深川が迎えに来る時間まであと十分。

バックが決まりません。


「萌華ぁ、迎えに来てくれたよ」

ちっ、早いな。

アタシは適当にバックをつかんで階段を降りる。


「五十嵐、遅い」


「あんたが早いんだよ。全く」

アタシは馴れないヒールで少し身長を盛る。


「あ、お願いします」

アタシは車に乗ると運転席に座っている深川のお兄さんに挨拶をする。

「どうも。従兄の榛葉 直人です」

あ、お兄さんじゃなかった。

「じゃ、榛葉。よろしく」

なんか上から目線の深川。

それにしても榛葉さんも中々の美形である。

深川の王子様っぽい感じじゃなくて少しワイルドな感じ。