「あぁ、重症ですね」 「黙れ」 俺は顔を手で隠す。 「そんなに可愛らしいんですか萌華様は」 「名前で呼ぶな。俺でさえ名前でまだほとんど呼んでないんだからな」 俺が睨むと榛葉は軽くお辞儀をしてスマホを見る。 「写真から見ても可愛らしい方ですね若様が惚れるのも無理はありません」 「俺の女だぞ。間違っても手ぇ出すなよ」 「分かっております」 俺はイライラとして髪をかきあげる。 「とにかく、絶対に俺がボンボンってバレないようにしろ。明後日は迎えはいらん。絶対に変なことするなよ」