「なんで知ってんだよ」
「女性を押し倒し、無理矢理キスをするのは嫌われますよ」
榛葉は俺にスマホの画面を見せる。
俺が校舎裏で五十嵐とキスしてる。
馬乗りになって。
「いつ撮った?」
「体育祭の日にあれだけ豪快に告白なされたのですから、私ども全員知ってますよ」
「来るなと言ったはずだ」
「旦那様が行けと申されたので行きました。あ、旦那様もご存じですよ」
俺は榛葉のスマホを取り上げて窓からぶん投げた。
「あっ、あぁぁぁ」
榛葉の悲惨な声。
「仕方ありませんね…」
榛葉はそう言って二つ目のスマホを取り出した。
