「若様?理由はなんですか?」
榛葉が駆け寄る。
「女とデート」
「はい?」
榛葉は俺の部屋に入る。俺はソファに座った。
「二度言わせるな。女とデートだよ。初めてだからな、工夫しなくちゃ」
榛葉はため息をはく。
「小百合様という許嫁がいらっしゃるのに…」
「あれは向こうの親が勝手に決めたことだろ。ジジィも承諾してない。つまり、許嫁じゃねぇんだよ。ジジィも好きな女と連れてきていいって言ってたし」
榛葉はやれやれといった表情を作りスマホを見る。
「若様、相手の方は五十嵐 萌華様でよろしいですね?」
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