次の駅まで大体、1分。 アタシはソイツの手をグッと握り離さなかった。 「あなた、痴漢してますよね」 大声で叫んだ。 車内がしーんって静まり返る。 あー、このオジサン、お酒臭い。 随分と酔っぱらってるな。 「何、言ってんだっ。俺はアンタのケツなんか触ってないぜ」 タイミングよくドアが開く。アタシはそのオジサンを引っ張りだして叫ぶ。 「どなたか駅員さんか警察呼んでくださいっ。痴漢です」 そのまま駅のホームに引っ張り出した。