アタシは東田がくれたシベリアンハスキーのぬいぐるみをなでる。



「そんなに引きずってんなら会いに行けばいいじゃねぇかよ」


東田が言う。


アタシは首を振った。



「いいの。アタシに大雅は相応しくないから。

大雅の出世、邪魔したら悪いでしょ?」



アタシが笑うと東田はアタシの頭をグリグリと撫でる。


「強がって。ホントは嫌われんのが嫌だからだろ?」




「違うもん。アタシは…大雅に相応しくない」




東田がため息をつく。




「アホ」