「それで、今日は一つお前に伝えにきたことがあってな」 「なんですの?」 小百合は髪を振り払う。 「俺と金輪際、関わらないでもらいたい」 小百合の微笑が固まる。 俺は唾を飲んだ。 「どういうことですか?」 「そのままの意味だ。俺に近づかないでくれ」 「な、なんでっ?」 小百合が取り乱した顔をする。 「五十嵐 萌華。俺の女を山奥に置いてきぼりにしただろ」 「それは萌華さんが自分で降りたんです」