「……そうだな」 大雅はアタシを見ないでよそ見する 「坊っちゃん、照れてますね?」 ジェーンさんが大雅を見てニヤニヤしてる。 「お前、黙れ」 「若様…話が若干それていますよ」 大雅が少し顔を強張らせてアタシの頭の上に大きな手をのせる。 「小百合は俺の許嫁じゃない。向こうが勝手に決めつけてんの」 「え?」 「ただ…一条グループは」 大雅が言葉を切る。 「資金援助してんのが、その、えー…暴力団っつーか。まあ、そっち系の人で断りにくいんだよね」