榛葉さんはダークスーツ姿でアタシに深々とお辞儀をする。 「若様の専属執事、榛葉です。若様の従兄というのは嘘です」 「ご、ご無沙汰してます」 アタシもおずおずとお辞儀をした。 「坊っちゃんの女中の橋元ジェーンです」 着物と金髪がミスマッチすぎるジェーンさんは笑ってお茶を差し出す。 「萌華、俺は見ての通り世間一般で言うボンボンだ。それでもいいよな?」 ニヤリと笑う大雅。 「えーと…まあ、うん」 「なんだよ。その反応!」 「え?だって、大雅がお金持ちでも貧乏でも大雅は大雅じゃん」