泣きやんだ時には、
もう夕方だった………。


「………送るよ」


と、男の子は、私を家まで
送って行ってくれた。


「あの………!」


「ん?何?」


「あの、お名前は……?」


「俺?長瀬洸夜だよ。三年生。
じゃ、俺行くね。」


と、優しくにかっと微笑んで
去って行った……。


───でもその時、

長瀬先輩があんな事を
思っていたなんて思ってもみなかった。